人形館のご案内

ベベタビト人形館は
お人形たちと自由に存分に
対話を楽しんでいただく場です

ベベタビト人形館とは

ベベタビト人形館は、ビスクドール作家 旅人容子氏の寄託を受け、その数百体に及ぶ作品の管理・販売に関するお手伝いの他、常設展示・個展などの運営を通して文化活動の一層の向上及び文化振興を目的とし、活動を開始いたしました。
常設展示館は観覧無料ですのでどなたでもお気軽に足をお運び頂き、ゆっくりとお人形を眺めることができます。ビスクドールに関心を持ち憧れを抱きながらも、いざ家庭に所有し、好きなだけ眺めることはなかなか難しいことでしょう。実物を目にする機会さえ多くはございません。当館は常時200体を超すビスクドールを無料開放しており、きっと心惹かれる子に会うことができます。お譲り渡し出来ないお人形も少なくありませんが、ビスクドールによっては販売も可能でございます。
思い起こせば2010年の頃、まだ常設館は存在せず、1週間だけスペースを借りて開催した最初の個展には、千名を超える皆様に足をお運び頂きました。忘れえないのは、数百体の人形を前に、涙される来場者様のお姿です。展示フロアを埋め尽くす数百体のお人形、しかもそれがすべて一人の作家の手によることに想いを致したとのこと。
いつでもビスクドールにふれあえる場所を生み出したく、ついに完成したのが当ビスクドール館でございます。心ゆくまでビスクドールとの対話をお楽しみください。ベベタビト人形館は皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。

人形作家・旅人容子氏により復刻されたビスクドールが並ぶ

常時200体以上のリプロダクトドールが閲覧無料

後段両脇の2体はアンティークドール。
それ以外は旅人容子氏によるリプロダクトドール

アンティークドールとリプロダクトドール

ビスクドールとは19世紀のフランス・ドイツで盛んに作られた本焼き(ビスク焼成)された磁器人形です。百貨店や万国博覧会の勃興と共に人形(玩具)は一大産業として発展しました。しかしながら大変高価であったことや職人文化が次第に効率重視の波にのまれてしまったこと、またセルロイドやゴム製の安価な人形の登場によってビスクドールは生産されなくなりました。
廉価品はその素性から、殆ど残ることができませんでしたが、それより先に生み出された途絶えたはずのビスクドールが、当時の姿を保っていたため、近年になってその緻密性と芸術性の高さが評価されることとなり、アンティークドール(製造後100年を迎え未だ現存する人形たちの意)としてよみがえったのです。
リプロダクションドールとはこのアンティークドールを原型に型取りしたモールドを使い、作られたビスクドールです。

過去100年を振り返ると、日本に限らず、ビスクドールを盛んに製造していたヨーロッパにおいても二度の大きな戦争や数多くの自然災害を経験しています。現存しているアンティークドールはその戦禍を免れ、大切にされ生き抜いてきた人形たちです。
「戦争は二度とあってはならない。人形を生みだす立場の人間としても、自分が生みだした人形たちが100年先にも壊されたりせず大切に可愛がってくれる人の傍にいてほしいと思うのです」という旅人容子氏の考えに感銘を受け、ベベタビト人形館は設立されました。

なぜ人形館が生まれたか

ビスクドールという幾分マイナーな(それでいて熱烈なファンの多い)この世界で、人形専門のギャラリーを、現実の場所に現実の建物として構えることは、決して容易ではございません。
以前、作家・旅人氏の父が「いまではインターネットを使えないと、かえって何もできなくなった」と嘆いていたそうです。テレビの通販で紹介された商品ですら「手続はネットで」と言われ歯がゆい思いをしたことも。確かにネットは便利で、簡単に情報や画像が手に入ります。でもそれを使いこなせない方々もたくさんおられ、かえって情報から遠ざかっていく、いわゆる情報の格差を前に、悲しい思いをしているのだと感じます。 だからこそ人形館を開設し、お人形を直に鑑賞できる空間を設けることには大きな意味がある・・・信念というには大げさですが、ネットの出来ないお人形愛好家の肩を持ちたくなってしまうのは、人情というものかも知れません。
何よりも、ビスクドールの実物を目の当たりにすると、画像で伝えようもない衝撃があります。角度によって生生しく表情を変える、考え抜かれた造形美もそうですし、美しいガラスの目は宝石のように輝いて私たちを虜にします。150年も前に「人間の肌の質感に近い」という理由で使われ始めた磁器製の肌は、どうしてこうも柔らかさを感じさせるのでしょうか。 これらはインターネットでは辿り着けない、途方もない魅力なのです。
そんな空間を実現するために、ベベタビト人形館がオープンしました。

作家メッセージ

わたくしにとって、お人形の製作は何より楽しいことで、じつは、日曜祭日・盆正月もないのです。
本当は、もっと本を読んだり、好きな観劇に出かけるなど、文化や芸術に触れる機会を持ちたいと心底思ってはいるのですが、出不精で腰が重いせいで、とりあえずアトリエです。
わたくしが、広く深く教養を身につけることは、自分にとってもたいへん興味深く楽しいことですし、人形に厚みが加わるのだと考えます。
作者自身が誠実な人間であるべきで、日ごろから、自重し常に正しく生きることを心がけています。真摯な生き方はどんな職業についていようが、一番大切なことですが、ましてや、面(おもて)を生み出すわけですから、責任重大ですし真剣です。
ベベタビトのお人形をお迎えいただくに値する人間でなければ、お迎えくださるお方に対しても、またお人形に対しても申しわけのないことになってしまいますからね。
今までは作るばっかりで、販売の機会がなかったのですが、そもそも、お人形さんたちは、お迎えいただいてこそ、と考えておりますので、わたくしという人間を知っていただいて望まれるのでしたら、お人形にとっても、わたくしにとっても至上の喜びです。
お近くでしたら、実物をご覧いただくのが一番安心なのですが、気になる子がありましたら、お気軽にお尋ね下さいませね。

常設展示館(人形館案内)

施設名 ベベタビト人形館
所在地 〒862-0959
熊本県熊本市中央区白山2丁目4-25 2F
開館時間 10:00~15:00(予約者のみ)
来館を希望される方は事前にお問い合わせフォーム、もしくはお電話(096-277-5115)にてご連絡ください。
地図

ドレスの受注制作について

大変心苦しいことでございますが、原則としてドレスのみの制作は承っておりません。

ドレスづくりは、動画にもございますように多数の工程からなり、少なくとも5日(デザイン考案を除く)を要します。 人形作家・旅人容子にとって人形作りは積年の夢で、図書館や書店で探し求めたアンティークドールの写真集を師として、ポーセリンやモールドを少しずつ集め、焼き窯を設え、ひとり工房を立ち上げるに至りました。インターネットのない時代でしたから、それは大変な道のりだったようです。いまも国内外からの材料選定や仕入れを現在に至るまで一人で行っております。
当人いわく「百年間でも人形を作り続けたい」「時間が全然足りない」と冗談交じりながら申しており、当館としては人形作りに懸けてきた作家の時間を、ドレスのみの制作に割かせることはできないのです。誠に申し訳ございません。

例外として、旅人容子作のビスクドールに限り、ドレスのみのオーダーを承る場合がございますが、
① ミニョネットやミレット等小さいサイズ:1着33,000円~
② ①より大きいサイズ:1着55,000円~
の受注となります(いずれも税込み)。アンティーク生地等の場合はさらに貴重素材の材料費と手配経費が加わります。
時にお人形そのもの以上の価格となりますが、これは作家の人形づくりに専心したいという当初からの夢を鑑み、当館としてこのような設定とさせて頂きます。何卒ご理解の程、お願い申し上げます。