A・マルク
A・マルク

けなげでいじらしい人待ち顔の希少なドール

歴史家によると、第一次世界大戦のさなか、A・マルクはパリのドレスメーカーJeanne Margaine-LaCroixの依頼により100体のファッションドールを彫刻しました。
それらはひとつひとつにサインがなされた上で、番号を付けられ、さらにフランスの王室の威厳、あるいは特権階級を代表するような衣装に身を包んでいました。これらの比類なく美しい人形たちはフランス国民によって称賛を浴びましたが、それは単に美術的に素晴らしかったからというだけでなく、産業革命によって安価かつ数多く制作されていたジャーマンドールに対して、誇り高くそびえ立つフランス文化の象徴として絶賛されたのでした。

さすがに彫刻家らしく、この型に目を切ってグラスアイをはめ込むことなどを度外視したような造形としての完成度。
左右対称の文句なしの美しさではありませんが、泣き出しそうな表情や幼子らしい愛くるしさは、他に追従を許さないものを感じます。

出典:live auctioneers suction central news

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