ジュモー
ジュモー

ファッショナブルな衣裳、美しい顔、最上の技術

ビスクドールの代表的な工房として、ジュモーが挙げられます。
フランスにおける初期のファッションドールは、あくまで美しい衣装を着せ流行を伝えるためのマヌカン人形であり、人形そのものの美しさに関しては、愛玩するほどのレベルではありませんでした。
工房の創始者であるピエール・ジュモーは、当初、中国製のヘッドを用いたファッションドールやイギリスのワックスドールを扱っていました。
1851年のロンドン博覧会で衣装人形デザイン賞を受賞しましたが、これはあくまで人形の衣装に与えられたもので、人形そのものの評価ではなかったようです。一念発起したピエールはその後人形自体の制作にも力を入れ、1855年にはパリ博覧会・ロンドン博覧会にて衣裳だけでなく人形としての美しさを評価されました。
1872年にはそれまで他工房から仕入れていたヘッドを含め、パーツの制作や組み立て、衣装をすべて自社生産できるようになりました。
その後、ピエールの後を継いだ息子のエミールですが、彼もまた優れた職人であり経営者でした。従来のファッションドールの優美さを引き継ぎつつ、エミール独自のあどけないベベドールは数々の賞を受賞し、確固たる地位を築き上げ、人形産業に大きく貢献しました。

テート・ジュモー

ジュモー・べべフランシス